オートフォーカスの使い方
1998年にオートフォーカス(AF)の使い方を本サイトに掲載した。 当時、AFの完成度がフラグシップ機でも高くなかったことから、マニュアルフォーカス(MF)が基本とされていた。
「AFは使えない」
と言われていたが、工夫すればそれなりではあった。現在では「精度、追従性の向上」からAFの使いこなしを考える必要がないくらい進歩したが、特性は当時と変わりないことも確かである。その特性を知っていればシャッターチャンスをモノにする確率も上がると思うので、私の経験から得たことを改めて記載したいと思う。
■AFの特性
AFの特性とはどのようなものか?
- 一定速のものを追従していく。(減速/定速/加速という大きなスピード変化への対応は苦手)。
- 一定方向で進むものを追従していく。(近づいて来るもの/離れて行くもの)。
(上記は極端に書いています)
例えば、近づいて来るマシンをAFで追い、一番近づいたところでシャッターを押そうとした瞬間にピントが外れた、という経験はないだろうか。追従性やピントが外れた時の戻りは、昔に比べ遥かに性能が上がっているが、それでも完璧とは言えない(ピントが外れると昔は戻ってこないことが多かった)。ピントが外れてシャッターチャンスを逃すケースでも特性を理解していればフォローも効く。
■AFを使いこなすポイント
図1_クリックすると大きくなります。 最初は、AFを使った簡単な動態撮影方法から説明しよう。
まずコーナーの速度変化するポイントを次のようにわける。
「ブレーキング(減速)- 定速 - 立ち上がり(加速)の3エリア」(図1)。
例えば、立ち上がりのマシンを撮影したい場合、
- コーナーのどの位置で速度が変化するか観察する(減速→定速→加速)。
- マシンが加速を始める場所に、ピントを置く。
- AFスイッチを入れない(シャッター半押しをしない)状態でマシンを捉える。
- ピントの置いている場所に来たら、AFスイッチを入れる。
- シャッターのメカニカルタイムラグを考慮して、ほんの少し早めにシャッターを押す。
慣れたらピントを置かずに、AFを入れたままで被写体を追従、速度変化するポイントでAFのスイッチを入れ直す。
なぜこのようにするのか。
「動態予測機能は、追従した結果から演算してレンズを予測駆動させるので、スピードや方向が大きく変わる、つまり演算で導きだした予測から外れる動きをするとピントも大きく外れる」。それに対応するには「変化の少ない区間で追従させる」「変化に対してAFのスイッチを入れ直して(新たに予測駆動を働かせて)追従させる」かのどちらかとなる。
鈴鹿のシケインをレースフォトグラファー体験講座で正面から撮影する時、旋回方向の変化に合わせてリズミカルにAFを入れ直すようにすれば、「第一シケイン突っ込みと立ち上がり」「第二シケインの突っ込みと立ち上がり」でピントが来ている写真が撮れる。 (連写で撮影する場合は、このようなテクニックは使えない。機材頼りの撃てば当たる、ではなく確実に写真をものにするようデジタルでも1枚ずつ丁寧に撮影することをお薦めする。)
図2_クリックすると大きくなります。 次に左から右に流し撮りをするワイドな流し撮りするケースについて説明する。
この場合「近づいて遠ざかる」から方向が転換するポイントでエリアを2つにわけて考える。遠ざかるマシンを撮る時、転換点または転換点を過ぎたところにピントを置いて、マシンがそこを通るときにAFのスイッチをオンする(図2)。慣れば、転換点、もしくはファインダー内で観察してスピードが変化する(ピントが外れだすポイント)ところを感じ取り、AFの入れ直しをすればコーナーを抜けて行くマシンを奇麗に追従できるようになる。
講座のようにサーキットの中で撮影すると距離が近いので、このようなテクニックを使う機会が増える。例えば、S字のイン側やアウト側で撮影する時などが有効と言える。
■AFを使う上での注意点
測距点にマシンを入れ続けようとして、マシンではなく測距点に視線と集中力がいってしまい、ピントを合わせたい場所から測距点が外れて行く経験はないだろうか? ヘルメットを測距点に入れ続けようとして苦労してないだろうか。
撮影するときは、ピントを合わせたいところを見続けることが、AFを使う上でも大切なことと言える。
ピントの合わせたいところを面で考え、その面の延長戦上に測距点を置くと追従も楽になる。構図も日の丸になりやすいといわれているAFではあるが、この方法で構図に変化をもたらすことができる。(了)

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