ハードウェアキャリブレーションとソフトウェアキャリブレーション
キャリブレーションによるディスプレイ調整には、ハードウェアキャリブレーション(以下、ハードキャリ)とソフトウェアキャリブレーション(以下、ソフトキャリ)という2つの方法がある。
■ソフトウェアキャリブレーション
ディスプレイをキャリブレータで計測したデータに基づきキャリブレーションソフトの指示でコンピュータのグラフィックボードからディスプレイに出力される信号でディスプレイ表示の調整をする方式。
一般的なキャリブレーションはこの方式が多い。グラフィックボードがコントロールできる情報量が8bit(各色255段階、1677万色フルカラー)であるため、情報量としては少ない状態でコントロールする事になる。
例えば、ディスプレイの赤みが強い、という計測結果がでたとしよう。白が 「RGB 255 253 253」だったとする。この場合、緑、青は253が最大輝度(253以上は上げられない)なので赤の255→253にして、カラーバランスをとる。結果、諧調落ち(色の表現段階が253諧調)となって画質に僅かながらでも影響が出てくる事になる。
画質が悪くなるなら、キャリブレーションはしたくない...と思うだろうが、この僅かな画質劣化(場合によってはこの劣化を意識することはないかもしれない)よりもキャリブレーションをしないことでのデメリット(ディスプレイの輝度、色相のズレ、カラーバランス等のくるい)方が問題なのである。
■ハードウェアキャリブレーション
ディスプレイをキャリブレータで計測したデータに基づきキャリブレーションソフトの指示でディスプレイ内部に持つ情報をコントロールしてディスプレイの表示を調整する方式。ディスプレイの内部情報は12bit〜14bitで持っていて扱える色数が圧倒的に多く、例えば12bitの場合は約687億色で調整し、その後で8bitフルカラーにマッピングしてディスプレイに表示する。表示画像の劣化を最小限に抑えられる。グラフィックボードが受け取る情報はいっさいいじらないため、ボードの性能が活かせる。
ソフトキャリ用キャリブレーションソフトは、ほとんどのディスプレイで扱えるが、ハードキャリ用は*対象ディスプレイ専用設計である。ハードキャリブレーションをするなら、それに対応したディスプレイが必要になる。
*対象ディスプレイ専用設計... 例えば、NECのSpectraNaviは、NECの該当するディスプレイのみで調整が可能。他社製品では使えない。一方、Eye-One Matchなどキャリブレーターに付いてくるキャリブレーションソフトは、一部のグラフィックボードで動かない事もあるが、大抵のディスプレイの調整が可能である。
当然、ハードキャリの方が精度が出るのだが、あまりにもハードキャリにこだわりすぎるのもどうかと思う。*パネル性能、ディスプレイ駆動方式など全体のバランスを考えないとまずいでしょう。
*パネル性能、ディスプレイ駆動方式など全体のバランス ... ディスプレイメーカーも、昔ならここのディスプレイなら...と薦める事ができていたが、ここ数年そうも言えなくなってきた。寂しいことである。未だに昔からの名機を薦める方が無難な状況にはがっかりする。
(了)

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