キャリブレーションことはじめ
ディスプレイキャリブレーションとは、ディスプレイが持つ本来の性能を引き出すための調整のこと。
■キャリブレーションは必要なのか?
ノンキャリブレーションのディスプレイで見る写真は、けっこう泣けてくる再現のものが多い。*Webで公開されている写真は見る人の環境によって「色あい、彩度、明るさ」が、発信者の想定以上に違いがある。(但し、それによって写真そのものの価値が一概に下がるわけではないのだが...でもなあ〜)。
Webで見る事に限るなら、見る人の環境が未調整では所詮思うような再現は望めないので、発信側が苦労してキャリブレーションをするのは無駄と思うかもしれない。しかし、最近は再現性の高いディスプレイが割合安価に入手でき、キャリブレーションをするのが前提となっている。そんな環境で閲覧されては「写真を公開する前にきちんとした環境整備をしなさい」と言われるか、にこやかに当たり障りのない感想でお茶を濁すか...大げさな話ではない。最近、気がついた人が出てきてblogとかに書いている。例えばココとか。また「ココやココ」の記事を書いているmiyahanさんの検証はすごい。NECのLCD2690WUXiを購入する時、かなり参考になった。
私自身は、そのへんは割り引いて見るようにしているが、キャリブレーションに気を配るのは、写真を撮る人にとっては普通になるのでは、と思う。
* Webで公開されている写真は(略)...
時々、このカメラがこんな色再現なわけがないが?と思う事がある。そんな時は申し訳ないがダウンロードして画像のチェックをする。チェックの内容は、ICCプロファイル(後述)は付いているのか?大抵付けていない。そこで、スクリプトでsRGBプロファイルをつけて再度見ると、本来の色に近い再現がなされている。自分が持っていないカメラでも、色をいじっていない画像であれば、プロファイルを添付して確認したらこんな感じなんだ、というのが確認できる。
■プリント出力するなら必須
セルフプリントするなら、キャリブレーションは必須と言える。年賀状や作品を出力したら、相変わらずディスプレイと全然違う...という問題に苦労している方は多いと思う。これは、*ディスプレイとプリンタの持つ色再現領域が異なるためで、『カラーマッチングシステム(CMS)』を使わないと合わせるのは難しい。そのためにはキャリブレーションをするのは絶対条件である。
*ディスプレイ、プリンタの持つ色再現領域が異なる ...
例えば、純色の赤(RGB - 255 0 0)。ディスプレイの赤とプリンタがデータを受け取って赤と判断した色は、同じ数値でも色再現域が異なるため、色は違う赤になる。更にプリンタドライバでRGB→CMYKに変換するため、またまた異なる赤に変換される。CMSは、色を共通の絶対値色域Labを介して変換し引き渡していくので色ズレを最小限にする。
■キャリブレーションとは
- ディスプレイの本来持つ性能を引き出すための調整
- 入力情報と出力情報の差異を調整
- CMSを行うために、調整後のディスプレイの『ICCプロファイル』を作成する。(厳密に言えばこの行為はキャリブレーションとは言えないが、ここでは含めます)
■キャリブレーションを行うには
キャリブレーション専用の測定器(キャリブレータ )を使う。
キャリブレータは、1万円台から数十万円台と「ピンキリ」なのだが、数十万円台は、色を厳密に再現しなくてはならない「広告写真」「印刷業」などで必須と考えれば良いだろう。(もちろん、それにつぎ込むだけのお金があるなら別。やはり、分光式の数十万円の精度は違いますから。)
趣味用途や色再現の厳密さを求めない撮影なら、安価なキャリブレータでも十分である。
きつい言葉になるが...
残念ながら、Adobeガンマではどんなに高いディスプレイを持っていようと問題外である。また、MACは目視で細かくディスプレイ調整ができ、ICCプロファイルも作成される機能がある。慣れればかなり正確にできる可能性もあるが、よほど熟練しないと難しい。キャリブレータを使うことを強くお薦めする。
もし、1万円のキャリブレータ(heuy)購入予算しかない時は...それでも目視でやるよりもマシ。実際にテストしたところ、ノートパソコンでは全くダメだったが、外部ディスプレイは、まずます好ましい結果を示してくれた。
お薦めは、4万円前後で売られている「i1 Display 2」(同じような値段で他社からも売られているが、いろいろ調べてみるとこちらの方が良さそうだ)。ただ、これでもノートパソコンのキャリブレーションは精度が出ない。
それと、ディスプレイが光沢だと、どうもキャリブレーションは好ましい結果にならないようだ。また、(光沢ディスプレイで見ると)酷い画像でも、なんとなく奇麗に見えてしまうのも困りものである。そういうディスプレイで調整した画像をWeb掲載したとき、見る側がきちんと調整されたディスプレイで見た時「げんなり」することもある。
ディスプレイキャリブレーションはとても大切です。
(了)

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